コンサルティング業界は中途でも「未経験者を積極的に採用」する非常に稀有な業界ですが、実はコンサルティングファームは「中途採用がメイン」となっているのです。
大手ファームでも8割が中途入社の方であり、部門によってはほぼ95％が中途という場合も少なくありません。
主に次の3つの理由が挙げられます。

コンサルタントの仕事は、クライアントである事業会社の種々の問題解決ですので、事業会社がどのようなものなのか、どのような組織・機能がありそれぞれが何を行っているのか、などを理解している必要があります。
しかし、日本では大学を卒業して初めて社会人としての経験を積むことが多いので、このような事業会社の理解や“社会人としての肌感覚”は、大学を卒業して社会人としてある程度働かないと身に付きません。
そのため、コンサルティングファームでは、“社会人としての肌感覚”が備わっている人を採用する傾向があります。
特に、ある程度の年数社会人経験を積んだ30歳前後が採用のボリュームゾーンとなっています。

コンサルティングファームは、コンサル未経験者を採用して一人前のコンサルタントに育成しなければなりませんが、（ファームの規模が小さいうちは特に）新卒を採用して社会人としての基礎も身につけさせながらコンサルタントとしても育成する、ことは組織的にも育成体制的にも難しいものがあります。
外資系コンサルティングファームが日本に参入してきた当初は顕著で、立ち上げ期は中途採用で日本オフィスの基盤を整えることになりますから、新卒ではかなり難易度が高いことは想像できると思います。
日本オフィスのビジネスが軌道に乗り、組織体制が整い、日本でのコンサルタント育成ノウハウが蓄積されてきて、ようやく新卒採用ができるようになってきました。
このような歴史的背景からも、コンサルタントの新卒採用の難しさ、中途採用が主であることが見てとれます。

ファームの規模が拡大するにつれて、新卒採用の人数も増えていますが、ファームの離職率は高く10~15%が標準です。
そのため、今では大手総合系ファームですと数100名単位で新卒を採用していますが、離職率が高いこととファームからファームに転職する方も多いことから、ファームの中途採用者の割合は必然的に高くなります。
その結果、各ファームの中途と新卒の割合をみますと、新卒の割合は高いところでも2,3割ぐらいです。

近年は、コンサルティングファームが新卒就職人気ランキングの上位に挙がっていますが、未経験者を積極的に採用することと中途採用が主であることは以前から変わっておりません。
コンサル未経験でもある程度社会人経験を積んでいれば、コンサルタントになれる可能性は十分ございます。

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